ExcelVBA(マクロ)でセルとセルの間の空白(隙間)を削除する方法/If文、IsEmpty関数の使い方

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データを色々弄っているうちに、セルとセルの間に歯抜けができてしまったとします。これを削除する方法のご紹介です。

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基本的なやりかた

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マクロなどで色々やってると、こういうデータができることが往々にしてあります。このデータ間の空白を削除するには、どのようにすればいいでしょう?
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とりあえずFor Next文で上から順番に判定していくものとします。
セルが空白かどうかの判定はIf Range(“A” & ii).Value = “” Thenで可能です。
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さて、Aセル+iの数字で、該当セルをDelete(セルを削除して上に詰める)するとどうなるかというと……。
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実はこのコードだと、空白がふたつ以上空いた場合に歯抜けが残ります。
isempty5
なんでかというと、iが2の時にはA2セルを削除して上に詰めるということで、A2セルがあった場所にはA3セルのデータが移動し、iが3になった時チェックするのは元々A4セルにあったデータということになります。A3セルがチェックされません。
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要するに空白のデータがあったセルを削除すると、
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その下のセルがチェックされないという現象が起こります。なので歯抜けが残ります。
同じマクロを何回か実行すれば一応歯抜けは解消できますが、一回で処理したいところです。
isempty10
そこで、別にiiという変数を作ります。
iiは何もなければ変数iと同様に1ずつ増加しますが、
isempty11
もし空白のセルがあった場合は数字を増やしません。
Rangeがこのiiの行番号を参照すれば、上に移動してきたセルもチェックすることができます。
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ちなみに、iとiiの数字差はそのまま削除した空白セルの数になるので、
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最後にi – iiを求めれば、いくつ空白のセルがあったかを表示することもできます。
isempty14
コード的にはこうなります。elseの場合にのみ、iiの数字を1増やすようにしています。
' vba
Dim ii: ii = 1
For i = 1 To 12
' セルが空白か判定
If Range("A" & ii).Value = "" Then
Range("A" & ii).Delete
Else ' データがあったらiiの数字を増やす
ii = ii + 1
End If
Next
isempty15
実行結果はこんな感じです。
もし連動して横のセルも削除したければ、Range(“A” & ii & “: C” & ii).Deleteのように範囲を広げます。

空白が式かどうかを判定する

セルが空白かを判定
IsEmpty(引数)
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先ほどの式は、次のように書くこともできます。
' vba
Dim ii: ii = 1
For i = 1 To 12
' セルが空白か判定
If IsEmpty(Range("A" & ii).Value) Then
Range("A" & ii).Delete
Else
ii = ii + 1
End If
Next
IsEmpty(引数)
IsEmpty関数では、引数が何もないデータの時にTrue、そうでない時にFalseを返します。If文に使う時はIsEmpty(引数)Thenだけで、空白の場合の処理が記述できます。
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上の式を実行すると、ちゃんと隙間が埋まりました。
一見””で判定する方法と同じものに見えますが……。
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式で空白を表示している場合にどうするか、という点が違います。
図ではA列に=If(C2=””,””,C2)と入力し、C列にある文字列をそのまま表示しています。
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If Range(“A” & ii).Value = “” Thenの場合は、式が入力されていても、現時点で空白が表示されていれば「空白」と判定されます。
したがって数式も削除されます。
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これに対しIsEmpty関数を使うと、式が入力されている場合は、現在空白が表示されていても「空白ではない」と判定します。
したがって数式は削除されません。

以上です。その他VBAで使える判定用の関数としては、IsDate(日付)、IsNumeric(数値)、Typename(データ型の判定)が用意されています。

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