煙草を辞めるとどれくらいの日数で楽になるか?(個人的記録)

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これが絶対の指標ではなく、あくまで参考資料ですが、僕の場合の記録を以下に公開します。ニコチンガムを使用しての禁煙なので、何も使用していない人よりもニコチン依存的にはゆるやかに、長い期間をかけて緩和させる選択をしています。何も使わず禁煙を始めた人、禁煙外来で指導を受けた人では、もう少し楽になるのも早いと思います。

僕の喫煙暦は15年程度、本数は6ミリを一日10~20本吸っていました。禁煙理由は喘息になったことです。
今禁煙を頑張っている方、これから始めようという方、あるいは禁煙の離脱症状について知りたい方、ご参考になれば幸いです。では、どうぞ。

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禁煙記録

前日

数日前にいつもの煙草は使い切った。
この日はもらいもののメンソール(好きではない)を吸い、一服の価値を下げておく。
煙草を吸うことがあまり楽しくなく、効果はなんとなくあるような気がする。喘息なので吸うたびに咳が出る。
最後の一服を夜10時頃に済ませ、残った二本の煙草は中華調味料の空き缶に水を入れてそこに浸す。ライターと灰皿は全てゴミ袋に入れた。

初日

午前中は意外と楽で、「これならこのままやめられそうだな」と考えていたが、午後からひどい離脱症状に襲われる。
思考力、やる気、記憶力が露骨に減り、文章を読んでも理解できない。何かどろっとした冷汗が出る。いつもならまずありえないようなミスをする。
夜、捨て忘れていたライターを見付けて、一瞬迷ってからゴミ袋に入れる。諦めてニコチンガムを摂取すると明らかに楽になった。一日の使用ガム数は以後しばらく1~3個程度。

2日目

昨日の反省から朝ガムを摂取。ニコチン量的にはぜんぜん摂ってないはずだがほとんどつらさがなく感心する。
ニコチンの身体的な依存はそういうわけであまり出てないはずだが、喫煙という行為への依存からか、いくつかの(おいしく吸えそうな)シチュエーションが脳裏をよぎる。
例えば、「山に登り、テントから出て、朝日を見ながら一服」「何もないガランとした部屋で、床に座りながら煙草をくゆらせる」「船旅の最中に夜起きて、誰もいないデッキで波の音を聞きながら一服」
しかし船旅はそうそう実現しなそう(タワマン最上階でシャンパンとかそういうのと同じで、憧れるのはいいが現実味がない)だし、キャンプに関してはニコチン依存が切れれば、普通に呼吸すること自体が煙草を吸うのと同じことになるようなものだと思う。部屋はなんかよく意味がわかんない。
そんなようなことを考えてひとつひとつ可能性を潰すと、納得したのか同じシチュエーションは提出されなくなった。
メンソール煙草を浸した缶の中の水は、たった二本なのにドス黒く変色していた。これを飲めと言われても飲めない。この後数日、時々この水の匂いを嗅ぐことになる。

3日目

一応この日を乗り切れば身体からある程度ニコチンが抜ける(ガム食べてるけど)そうでひとつの節目。このあたりから、ガムを食べた直後でも煙草を吸いたいままのことが多くなり、ニコチン依存とはまたちがう心理的な依存を感じることが増える。煙草を吸い続けることによりやがて使うことになりそうな酸素吸入器を空中にイメージし、それを吸うようにして深呼吸すると楽になる。
歩いていると、「世の中は退屈で、仕事は理不尽と尻拭いの繰り返しで、世間はバカとクズばかりだ。煙草を吸うぐらいでどうにか生きる甲斐があるのではないか」というような問いが訪れる。しばらく考えてみたが、ヘロインやLSDをやったことのない僕は退屈しているのか、人生を損しているのだろうか。
これらの設問に対して「なんかウザい」と感じ始める。親切面で酸素吸入器を鞄の底に潜ませ、僕の人生を破滅させながら金を搾り取ろうとする悪徳セールスマンのイメージだ。気に食わないので、そいつに得をさせないために金を出さない=吸わない、というイメージを固める。

4~5日目

最初期の決意がだんだんと過去のものとなってくる。「問い」が減り、その代わりに渇きが常駐するようになる。何をしても隙間の時間ができると一瞬煙草を吸おうと考える。気が付くと立ち上がって煙草を探そうとしている。おそらく呼吸科の医者にかかっているのと、職場の知人にやめる宣言をしている、このどちらかだけでも欠けていたらここで挫折していたと思う。吸おうと思う→その後失敗報告する自分を想像してぐっとこらえるということを何回も繰り返し、つまり結局プライドで持ちこたえたことになる。健康や節約のことは頭の片隅にもない。

6~7日目

手持無沙汰の解消にノンニコチンのリキッド煙草ってどうだろうかと考えるが、仕事明けにそれを一服しても欲求不満が溜まる気しかせず、検討するのをやめる。
この二日は楽だった。ガムも1日1粒くらい、買い物でレジの横に煙草が積んであっても何も感じない。しかし禁煙ができることはわかったから、今回はもうこのへんで吸っても構わないんじゃないか……みたいな謎理論が聞こえてくるのでまだまだらしい。失敗報告のイメージはもう自動的な防波堤になり、安定感はある。

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8日目

嫌なことがあり、ひどく一服したくなる。なんのために我慢しているのか自分でもよくわからないままとにかく帰宅。
防御しても防御しても、次から次へと色々仕掛けてくるものだと感心する。やはりリキッドを買わなかったのは正解で、この状況でノンニコチンの煙を吸っても余計腹が立つだけだろう。ここまでの過程を読み直し、もう一度悪徳商人のイメージを思い浮かべるうちに欲求が治まる。

9~10日目

またぞろ辛くなってきた。今までは一回猶予があったのが、「吸う」ことを一瞬で決意して、次の瞬間に禁煙してることに気付く、ということが増えた。
他のブログを読むと、「5年ぐらい経つとタバコがいかに臭いかわかり、吸う気がなくなる」「10年やめててもまだ吸いたい」と意見が錯綜している。自分の中のタバコに対するポジティブなイメージを消してから挑んだら楽だった、という意見もあり、なるほどなと思う。すでに真っ黒になって膜ができてるタバコ水をちびちびと飲むイメージを、煙草に火を点けるイメージが沸いた時に考えてみる。割と効果はあった。

11~14日目

また楽になったが、チョコレートを買ったら一日で一袋空けてしまった。相変わらず「煙草を吸おう」とやおら行動しようとしてつっかかることはあるものの、今までは「煙草が吸いたくなってきた! こんなのがずっと続くのか!」だったのが、だんだん「煙草吸いたくなってきたけど、適当にやり過ごしとけばいいや」になってきた。
酒を飲むと煙草も吸いそうな気がするので禁酒もしており、このふたつのついでに余計な買い物をすることも減ったので、二週間足らずで予算から万単位のお金が浮いていた。酔っ払ってる時間がないので本を多く読み、夜変な時間に目が覚めることもなくなった。味覚だけは喘息の薬の関係でむしろ悪くなっているが、気が付けば色々と予想外のメリットを享受している。

~三週間

日中はほとんど意識することがない(ただし普通のガムはよく噛んでる)。朝と夜、帰宅後に起き抜けに吸いたくなりたまにガムを噛むが、気が付けば1個もガムを食べずに1日過ごすこともある。これは意外と三週間経っても何事もなさそうかと思ったら、知人(喫煙者)から後日の酒の席への誘いがあり、「目の前で吸われる→一本どう? と勧められる」というイメージをした瞬間におそろしく吸いたくなった。スタンバってたのをそのまま出されたかのようにスムーズでビビる。
試しに一人で酒を飲んでみたら問題ないようでほっとする。
ごく稀に、煙草を「吸いたくない」状態(喫煙中に、十分なニコチンを取った後の感じ)に自然となっていることがあって、はじめてゴールが見えた気がした。

~一ヶ月

酒に溺れ始める。というほど飲んでもないけど、一回寝れない日に浴びるほど飲んで寝てみたら翌日めちゃくちゃ機嫌が良い。というか前日までかなりピリピリしてのは、いきなり禁煙禁酒の禁欲生活に突入してしまったので、うまくストレス解消できてなかったのが原因だということにようやく気付く。それはまずいなということで、再び毎日酒を飲むようになってしまった。
しかし煙草の欲求は目に見えて減った。そして同じビールを飲んでいても、煙草のアテとして飲んでいない状態だと謎の豊かさのようなものがあり、これはうまく言葉にできないが禁煙の大きなメリットだと感じた。今まで「煙草」に対する「酒」だったものが、それのみで完結する「ビール」や「ワイン」に変化した、というような感覚。実は味覚が結構変わってる?
金銭的なメリットはほぼご破算。煙草が1000円に値上がりしたら……と考えると潜在的にあるんだろうけど、その頃には酒税も上がってそう。

35日目

ジャケットのポケットから1本だけ煙草の入った箱が出てきてしまい、しかもちょうど酔っ払っていて、運命的な出会いに感謝して吸ってしまう。
「もう不味くなってるだろう」ぐらいの気持ちでいたらめちゃくちゃ美味い。上機嫌で眠りにつく。そしてこの一本が非常に高くついた。

36日目~38日目

寝ても覚めても煙草のことしか頭にない。煙草を吸う夢を見て、夜は明日の朝吸いたかったらもう吸おうと思い、朝は仕事終わってまだ吸いたければもう吸おうと思って日を過ごす。再びガムを噛み、以前はわからなかったニコチン摂取と精神状態の露骨なまでの相関関係に驚く。ニコチンガムに依存する人の気持ちがやっとわかった。

~45日程度

「煙草を吸うと吸い口から口の中に例の煙草浸けた水が飛び出してくる」というイメージ、それにより吐き気をおよぼす自分をイメージすると、結構いける。
他、「特殊な手術を受けて、もう煙草を吸っても不味くしか感じない身体になってしまった」と設定してみる。この手術の効果が一年だ設定すると、むしろ煙草を吸いたくなる。しかし効果が一生だと設定すると、「じゃあしょうがない」と急に煙草が吸いたくなくなる。むしろ開放感があり、気分が良くなる。
つまり、煙草を「諦める」か「嫌いになる」ことができれば、特に我慢せずに禁煙できるのだろうな、と思う。もうしばらくすると、催眠術や記憶療法で禁煙をするような時代になるのかもしれない。
ふたたびガムを減らし、ニコチンの摂取をやめて一週間どうにかやり過ごすと、突然楽になった。

それ以降

もうほとんど禁煙のことを考えないで日を過ごす。

総括

という具合で、途中一本吸いつつ大体一ヶ月半ぐらいで「喫煙者ではなくなった」感じがします。その後も時々思い出したように吸いたくなるんですが、ほぼ危なげなく禁煙を続けられております。
煙草は一日のサイクルを回す上でポイントポイントで報酬を与えてくれていた部分があって、これだけはどうも上手く代替することができないですね。個人的にはそういう機能が煙草の最大のメリットだったな、と感じます。ただ、実際なくてもあんまり問題ないです。
禁煙にトライしている方の参考になれば幸いです。この苦しみが永遠に続くのかとか、こんなことしても結局そのうち吸っちゃうから無駄とか思いながらやってましたけど、なんか普通にそうでもなくなってきますんで、どうにかがんばってやり過ごしてください。
あとまあ、「一本だけ」吸ったらそこから三日ぐらい地獄見ますんで、それだけお忘れなく。

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